新型コロナウイルス感染症（COVID-19）は多くの点において旅行を変化させました。コロナ禍が始まって以来、人類の生活や社会は計り知れない影響を受けており、旅行者の間でも休暇旅行が地域社会や地域経済、環境に及ぼす影響についての意識の高まりが見られます。こうした議題は過去数年間も取り上げられていましたが、コロナ禍は旅行の領域にある種の目覚めをもたらし、アジア太平洋地域において、より意識が高く、責任ある旅行を目指す流れを加速させています。
アジア太平洋地域（オーストラリア、日本、インド、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ）の 4,500 名以上の旅行者を対象に、エコノミストインパクトが行ったアンケート調査では、10 人中 7 人以上（71.8%）が、新型コロナウイルスの流行を機に、持続可能な観光に対する考え方が変わり、自分にとって以前よりも重要になったという点に同意しています。
その数がより顕著になっている国もあり、フィリピンでは回答者の 98.5%、インドでは 96.5%、マレーシアでは 93.5% が、コロナ禍により持続可能な観光に対する考え方が変わったと回答し、5 分の 4を優に上回る人々が持続可能な観光の仕組みの必要性を認めています。
コンシャストラベルがさらに進む時代の幕開けを目撃できるのでしょうか。今回のアンケート調査結果は確かにそう示唆しており、半数をはるかに上回る（57.1%）回答者が、特に観光は地域経済、社会、文化、環境に関わるので、観光や持続的に観光を行う方法について以前とは異なる考え方をしていると回答しています。
エコノミストインパクト作成、Airbnb 提供の本資料は、アジア太平洋地域における観光業の復興について調査した報告書です。本報告書では、「コンシャストラベラー」の増加により旅行がどのように変化する可能性があるかを考察します。本報告書は、広範な机上調査と、アジア太平洋全域の 4,500 名以上の旅行者を対象に実施したアンケート調査に基づいています。執筆者はSiddharth Poddar、編集者は Pratima Singh です。
ご協力いただいた次の方々には、この場を借りて感謝の意を表します。
• Soity Banerjee（フリーランストラベルライター、Outlook Responsible Tourism Initiative プロジェクトエディター）
• Gaurav Bhatnagar（The Folk Tales ディレクター）
• Rachel Dodds（Sustaining Tourism ディレクター、ライアソン大学教授）
• Randy Durband（Global Sustainable Tourism Council 最高経営責任者）
• Philip Goh（国際航空運送協会アジア太平洋地区担当バイスプレジデント）
• Freya Higgins-Desbiolles（南オーストラリア大学ビジネススクール観光マネジメント講師）
• Seul Ki Lee（LINC+ Project ディレクター、世宗大学准教授）
• Liz Ortiguera（太平洋アジア観光協会 CEO）
