ライフサイエンス・セクターの医療イノベーションには 、 基礎科学・研 究開発(R&D)・実用化など 、 あらゆる領域を対象とした包括的政策や市 場アクセスが不可欠だ。日本は過去数十年にわたり 、 アジアの主要イノ ベーション国として存在感を示してきた。しかしライフサイエンスにお けるイノベーションでは北米と欧州が依然として大きな影響力を保って いる。また近年 、 韓国や中国がインフラ・人材・R&D への投資を加速さ せ 、 新たな政策を打ち出すことでライフサイエンス領域のエコシステム 強化を推進している。競争力強化に向けた抜本的な方策が日本に求めら れているのはそのためだ。
ザ・エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が作成した本 報告書では 、 日本のライフサイエンス・セクターの現状を米国・韓国・ 中国と比較分析し 、 イノベーション推進体制のさらなる強化に向けた 方策について検証する。
日本はライフサイエンスの分野で高度なイノベーション力を維持して いるが 、 先行する米国には追い付けていない。またアジアでは韓国・ 中国といった競合国の追い上げに直面しており 、 イノベーション大国と しての地位は必ずしも盤石でない。